
アプリ詳細画面に表示されるアプリ設定エラーは、アプリ管理者が設定を変更していなくても発生します。この記事では、その原因を 2 つに分けて説明し、ケースへの影響と、誰が何を直すのかを整理します。主な原因は次の 2 つで、多くは原因 1 です。

原因 1:参照先の削除・変更
アプリ設定は、アプリの外にあるものを参照しています。参照先が削除されたり、参照が成り立たない状態に変更されたりすると、それを参照しているアプリ設定はエラーになります。
- ユーザ ― スイムレーンの処理担当者設定など
- 組織 ― スイムレーンの処理担当者設定など
- 役職 ― 組織を指定したスイムレーンでの、対象者の絞り込み
- ロール ― スイムレーンの処理担当者設定など
- 選択肢マスタ ― 選択型データ項目の選択肢や初期値
- 削除だけでなく、更新で選択肢が無くなった場合も含みます
- PDF フォーム ― [PDF ファイル生成]の自動処理工程
- サービスタスク定義ファイル ― 定義ファイルから作られる自動処理工程
- 削除だけでなく、更新で設定項目が変わった場合も含みます
- HTTP 認証設定 ― [メッセージ送信中間イベント (HTTP)]や、外部サービスと連携する自動処理工程
- 設定が削除された場合にエラーになります
- 標準アイテムの自動処理工程で「ユーザに紐づく設定」を使っている場合は、設定を登録したユーザがそのアプリのアプリ管理者でなくなった場合もエラーになります
- 別のアプリ ― [サービスタスク (子ケース開始)]の自動処理工程
- 相手のアプリが削除された場合や、メッセージ開始イベント (HTTP) の設定が変わった場合にエラーになります
ユーザ・組織・役職・ロールの削除は、ワークフロー基盤のシステム管理者(ユーザ管理権限やシステム管理権限を持つユーザ)が行います。選択肢マスタ・PDF フォーム・サービスタスク定義ファイルも、複数のアプリで共有するために[システム設定]>[アプリ共有アドオン]に登録されているものは、システム管理者が登録・更新します。HTTP 認証設定や別のアプリは、他のアプリ管理者の操作で変わります。いずれもアプリの外での操作になるため、アプリ管理者にとっては、自分では何も変更していないのにエラーになった、という形で現れます。なお、アプリ設定エラーが発生すると、そのアプリのアプリ管理権限を持つユーザに通知メールが送られます。
原因 2:バージョンアップによるチェックの追加
アプリ設定の内容は変わっていないのに、その設定がエラーとして検出されるようになった、というパターンです。Questetra BPM Suite はクラウドサービスのため、バージョンアップでアプリ設定のチェックが追加されることがあります。追加されるチェックには、次の 2 種類があります。
(a) もともと正しくなかった設定を、検出できるようになった
その設定はバージョンアップの前から正しくありませんでしたが、製品側が検出していなかったため、エラーとして表示されていませんでした。チェックが追加されたことで、それが表示されるようになります。
例として Ver. 18.0.3 では、「選択肢マスタを参照する選択型データ項目にて、初期値に指定した選択肢が存在しない場合、アプリ設定エラーとなるように」という変更が行われました(#11786)。存在しない選択肢が初期値に指定されている状態は、この変更の前から正しくありません。
(b) 廃止予定の機能に、対応を促すチェックが追加された
将来のバージョンで廃止する機能については、廃止の前にアプリ設定エラーとして表示し、アプリ管理者に設定の変更を促すことがあります。この場合は、廃止されるまでに、その機能を使わない設定へ変更してください。
例として Ver. 18.0 では、自動処理工程の標準アイテム[OpenAI ChatGPT: チャット]の設定項目「停止シーケンス」が廃止予定になりました(#11705)。この設定項目を使っているアプリでは、廃止されるまでに、この設定項目を使わない形へ変更することになります。
追加されたチェックの内容は、バージョン情報 で確認できます。
この 2 つのほか、まれに、システム設定の変更(メッセージ開始イベント(メール)の無効化など)やライセンスの変更でアプリ設定エラーになることもあります。
ケースへの影響
影響は、原因によって異なります。
原因 1 の場合、ケースの処理に影響が出ることがあります。 影響の有無と範囲は、エラーになっている設定がどこで使われているかによって変わります。
原因 2 の場合、エラーが表示されるようになったこと自体では、ケースの動きは変わりません。 アプリ設定の内容は変わっておらず、製品側が検出するようになっただけだからです。ただし (a) については、その設定はもともと正しくないため、エラーが表示されるようになるより前から、ケースの動きが意図したものになっていない可能性があります。
なお、アプリ設定エラーがあっても、そのアプリで新しいケースを開始すること自体はできます。
対処の進め方
エラーになっている箇所を確認し、アプリ設定を見直してください。アプリの外にあるものを直す必要がある場合は、アプリ管理者だけでは対応できません。ワークフロー基盤のシステム管理者に依頼してください。
- 削除されたユーザ・組織・役職・ロールは、同じ ID で復活させることはできません。 アプリ設定側で、処理担当者設定を別のユーザや組織へ変更してください。これはアプリ管理者が行えます。
- 選択肢マスタ・PDF フォーム・サービスタスク定義ファイルは、同じ名前・同じ内容で再登録できれば、アプリ設定を変更せずにエラーを解消できます。 ただし、[システム設定]>[アプリ共有アドオン]への登録・更新にはシステム管理権限が必要です。システム管理者に、削除されたアドオンの再登録を依頼してください。同じ内容のファイルが手元にあれば、アプリ固有のアドオンとしてアプリ管理者が登録することもできますが、その場合はアプリ設定側で参照先を切り替える修正も必要です。
- エラー表示は「どのアプリ設定がエラーか」を示しますが、「どう直すべきか」は示しません。 正しい設定値はそのアプリの業務上の意図によって決まるため、アプリ管理者が判断してください。システム管理者に依頼する場合も、どう直すかはアプリ管理者が決めて伝えることになります。
原因 1 によるエラーは、削除の前に手を打っておけば防げます。ただし、そのための作業はアプリ管理者とシステム管理者に分かれます。
アプリ管理者ができること。 システム管理者から「このユーザを削除するので処理担当者設定を変更してほしい」と依頼を受けたら、削除が実行される前にアプリ設定を変更します。依頼を保留したまま削除が実行されると、アプリ設定エラーになります。
システム管理者に依頼すること。 削除の前にどのアプリが影響を受けるかを調べるには、[システム設定]の各一覧にある「ユーザを参照しているアプリ一覧」などの機能を使います。この機能にはシステム管理権限が必要で、アプリ管理者は利用できません。手順は「アプリに影響を与えない、安全なユーザ削除の仕方」(システム管理者向け)で説明します。
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