ワークフロー図を描画する際には見やすくわかりやすいワークフロー図となるように、工程アイコンを配置したりフローを接続したりすることが大切です。視認性や可読性の高いワークフロー図は、業務の担当者が業務の流れを正確に把握したり、業務内容を理解したりすることに役立ちます。また、ワークフロー設計が他の担当者に引き継がれた場合でも、読みやすいワークフロー図が描かれていれば、新しい担当者もワークフローアプリの定義内容を容易に理解することができます。
特にフローの分岐や統合が行われているワークフロー図では、分岐した処理がどこで統合されているのかをわかりやすく描画されることが重要です。Ver. 14.2 では、統合されるゲートウェイをわかりやすく表現できるよう、分岐の種類(XOR / OR / AND)に対応する3つの統合ゲートウェイが追加されます。
◆ ゲートウェイに関する変更(Ver. 14.2)
Ver. 14.1 まで利用されてきた無印の統合ゲートウェイは廃止され、Ver. 14.2 では XOR / OR / AND の3つの統合ゲートウェイが追加されます。

統合ゲートウェイを利用する際に、分岐のタイプに応じた統合ゲートウェイを利用することで分岐の始まりと終わりが分かりやすくなります。結果、ワークフロー図の視認性が高められ、フロー構造も分かりやすくなります。
なお、分岐 OR / AND ゲートウェイで分流したフローの統合地点には、統合 OR / AND ゲートウェイを利用することが求められるようになります。分岐タイプに応じた適切な統合ゲートウェイを利用するようにしてください。
また、統合ゲートウェイの追加対応に合わせ、分岐ゲートウェイでのフローの統合が禁止されるようになります。すなわち、ひとつのゲートウェイの役割は分岐か統合のいずれかに明確化されます。これまでは、ひとつの分岐ゲートウェイで統合と分岐を兼用(複数の入力フローと複数の出力フローを接続)するようなワークフロー図も許容されておりましたが、Ver. 14.2 からは統合と分岐を兼用できなくなります。
ひとつの分岐ゲートウェイに複数の入力フローと出力フローが接続されている場合は、統合と分岐(分流)のゲートウェイを分離してそれぞれ配置するようにしてください。
なお、この対応に伴い、ワークフロー図に配置できる工程アイコンの数が 150 から 170 に拡張されます。
◆ Ver. 14.2 アップデート時の対応
ワークフロー基盤が Ver. 14.2 へアップデートされる際、既存のワークフロー図に対して次の対応が行われます。
- 統合ゲートウェイの自動置換
- 統合と分岐が兼用されている分岐ゲートウェイのチェック
統合ゲートウェイの自動置換
ワークフロー図にて(無印の)統合ゲートウェイが利用されている場合、アップデート時に XOR / OR / AND のいずれかの統合ゲートウェイに自動的に置換されます。
置換によって、アプリがエラーとなることはございません(エラーとならないよう、適切な統合ゲートウェイに置換されます)。
例1:ひとつのゲートウェイで分岐したフローが統合される場合
分岐で利用されたゲートウェイと同じタイプの統合ゲートウェイに置換されます。


例2:複数の開始ポイントからのフローがひとつに統合される場合
複数フローがひとつに合流するようなケースでは、統合 XOR ゲートウェイに置換されます。


例3:異なる複数のゲートウェイで分岐したフローがひとつの統合ゲートウェイで合流している場合
異なるタイプの複数のゲートウェイ(例:XOR と AND)で分岐したフローが1箇所で合流する場合は、利用された分岐タイプのうち上位(AND > OR > XOR の順)の統合ゲートウェイに置換されます。この例では、[統合 AND ゲートウェイ]に置換されています。


複数の分岐ゲートウェイが利用されている場合は、同じ数の統合ゲートウェイが配置され、分岐(分流)の開始と終了が対応した形で明確になったワークフロー図を描画するのが望ましいです。例えば、上記のワークフロー図は、次のような形で記載される方が読みやすく、ワークフローの構造も理解しやすくなります。

統合と分岐が兼用されている分岐ゲートウェイのチェック
ひとつの分岐ゲートウェイで統合と分岐が兼用されている場合、Ver. 14.2 へのアップデートにてアプリ定義エラーとなります。
アプリ定義エラーとなっても、稼働中アプリの動作への影響はございません(実行時エラーとはなりません)が、アプリの新バージョンをリリースする際は、エラーの修正をお願いします。

このワークフロー図では、エラーとなっている XOR ゲートウェイを[統合 XOR ゲートウェイ]と[XOR ゲートウェイ]の2つに分けることでエラーを解消できます。

統合ゲートウェイの種類が増えることで、ワークフロー図の構造をわかりやすく表現できるようになります。ワークフロー図を描画する際には、誰もが読みやすい、理解しやすいワークフロー図を描くことを心がけてください。