2026年3月12日、Questetra ユーザによる活用知見の共有イベント「Questetra Process Heroes Meetup 2026 Spring」を開催しました。
本イベントは、実際に業務改善を推進されているユーザの皆様に登壇いただき、現場での活用事例や工夫、課題への向き合い方を共有する場として実施しました。
コロナ禍前に開催して以来、約6年半ぶりのユーザイベントとなりましたが、12社18名と多くの皆様に参加いただき、活気のあるイベントとなりました。本記事では、当日の様子と発表内容のポイントを紹介します。
活用事例発表
本イベントでは、4社6名の方より実践的な活用事例を紹介いただきました。
クララ株式会社
クラウドソリューション事業部 コーポレートITグループ グループ長
山崎 隼人 様
「Questetra をハブに、人間系×自動化の共存プラクティス」

長年にわたる Questetra 活用の進化について発表いただきました。
山崎様は、15年以上にわたり Questetra をご利用いただいているとのこと。現在は、業務処理を「フロント(人)」と「バックエンド(自動化)」に分離し、両者をつなぐハブとして Questetra を活用されています。業務の受け渡しや全体のコントロールを Questetra で行いながら、Slack と連携させることで、コミュニケーションや簡易的な処理は Slack 上で完結させる構成にされていました。実運用に即した設計でありながら、高度な活用をされている点が印象的でした。
また、将来的には個別の案件ごとに AI が最適なルートや次の工程を自動で判断することについても言及され、今後の業務プロセスの在り方を考える上で示唆に富んだお話でした。
山崎様の発表スライドは公開されていますので、ぜひご覧ください。
株式会社IIJエンジニアリング
事業推進本部 営業推進部
小林 真理子 様
「既存のメール文化を壊さず、Questetra で現場ライクに業務効率化」

年間17万件に及ぶメール処理業務の効率化について紹介いただきました。
Questetra 上にメール対応チケット管理アプリを構築。社内メールシステムと連携し、受信した情報を HTTP 通信で Questetra に送ることで、メールスレッド単位で1つのプロセスとして管理する仕組みを実現されていました。
新規メールが届いた際に、送信元(From)や件名などをキーに、過去のメールと同一スレッドかどうかを判定。回答後も一定期間待機して新規メールを同一プロセスに紐付ける設計は、現場運用を踏まえた非常に実践的な工夫でした。
さらに、本アプリや連携システムとのインタフェース設計を推進した小林様が非エンジニア出身という事実は、多くの参加者にとって励みとなるとともに、弊社スタッフにとっても感銘を受けました。
小林様は、AI と壁打ちしながらアプリ作成を進めたとのことで、ここでも AI 時代の到来を感じました。
IPGネットワーク株式会社
グループ販売管理部 リーダ
小山田 有里 様
「お問い合わせメール対応におけるAIエージェント利用」

問い合わせ対応業務における AI 活用について発表いただきました。
Questetra の[AI エージェント]工程を活用し、回答不要メールの判定と回答文の添削という2つの役割を AI に担わせておられました。
不要メールの判定では、NG ワードを設定することで AI の精度を高めつつ、最終判断は必ずリーダが行う設計とすることで、精度と安全性の両立を実現されていました。
また、回答文の添削においても、AI はあくまで補助として位置付け、文章の分かりやすさや表現の調整を担わせておられました。その結果、様々な関係者との確認が必要な業務でありながら、顧客への回答時間の短縮を実現されたとのことです。
なお、[AI エージェント]工程の設定は、[AI への指示]以外は特に複雑な設定を行っていないそうです。比較的シンプルな設定で AI 処理が実現できる点を実感されたとのお話に、スタッフとしても大変うれしく感じました。
本田技研工業株式会社
SDV事業開発統括部 チーフエンジニア
山岡 大祐 様
「大規模組織の全社 DX 推進と Questetra の導入」

全社 DX 推進における取り組みを紹介いただきました。
山岡様は、本田技研工業株式会社における Questetra 導入責任者であり、導入当時はデジタル統括部に所属されていました。
本田技研工業株式会社では、ボトムアップ文化のもと、現場とミドル層が連携して DX を推進されていました。Questetra を全社的なワークフロー管理の基盤として位置付けるとともに、プロセス改革やシステム連携・自動化を推進するハブ基盤として活用し、データは Microsoft 365 側で管理する構成を採用されていたことは特筆すべき点です。このような構成のもと、Questetra は外部ツールと連携しながら、全社の DX 推進を加速させていました。
また、「プロセスを定めること」を重視し、業務の断捨離・標準化を進めることで、社員のリソースをより創造的な業務に集中させるという考え方も非常に示唆に富むものでした。
その結果として、DX 推進開始から3年で DX 認定が得られるまで改革が進み、現在は約1600のアプリが運用され、当初予定した効果を達成されたそうです。
本田技研工業株式会社
デジタル統括部
アシスタントチーフエンジニア 武石 誠 様
チーフ 萩 亮太 様
「現場でのアプリ開発・運用の進め方とシステム管理」

本田技研工業株式会社のもう一組の発表者である武石様、萩様からは、山岡様からのバトンタッチを受け、現場への展開と運用支援について具体的な取り組みを紹介いただきました。
「現場に使わせる、作らせる」という方針のもと、8ステップのアプリ構築ガイドを整備されていました。さらに、研修に加えて30分から1時間のオンライン相談を実施することで、現場の疑問解消と実践的な支援を行っているとのことです。
また、アプリ作成に関するルールを設けることで野良アプリの発生を防ぎ、全社で安定した運用を実現されていました。単なるツール導入にとどまらず、現場が自走できる仕組みを構築している点は、多くの企業にとって参考となる内容でした。
質疑・ディスカッションからの示唆
質疑応答では、既存の業務文化との向き合い方や、AI 時代における業務プロセスの在り方について、多くの示唆が得られました。
特に、Excel やメールといった既存の手段を無理に置き換えるのではなく、それらを活かしながら改善を進めることで、最終的には早く効率化が進むことが示唆されました。また、人の判断を中心に据えつつ自動化を組み込むアプローチについても、多くの参加者の共感を集めていました。
また、AI との連携についても、実務に即した具体的なアイデアや今後の可能性について活発な議論が交わされました。
イベント評価
今回のイベントは久しぶりの開催にも関わらず、参加者アンケートにおいて非常に高い評価をいただきました。
全体的な満足度は10点満点中9.3。「他の方に勧められるか」は9.0、「役に立つ」は9.6と、いずれの指標でも高い評価となりました。
一方で、「交流の時間がもう少し欲しい」「イベント時間がやや短い」といったご意見もいただいており、今後のイベント設計における改善点として認識しております。
アンケート集計結果も公開しておりますので、あわせてご覧ください。
まとめ
本イベントでは、業務文化を尊重した改善の進め方、人と自動化の役割分担、AI の現実的な活用方法、そして全社展開のための実践的な取り組みなど、多くの有益な知見が共有されました。
Questetra が単なるワークフローツールではなく、人・プロセス・自動化・AI をつなぐハブとして多様な現場で活用されていることが、改めて示される機会となりました。
今後もこのようなユーザ同士の知見共有の場を通じて、より多くの業務改善のヒントを提供してまいります。
