
本記事では、Claude(claude.ai)を MCP クライアントとして利用し、Questetra BPM Suite(以下 Questetra)の MCP サーバへ接続するための設定手順を解説します。設定が完了すると、Claude のチャットから Questetra のケースやタスクのデータにアクセスし、内容を分析・要約できるようになります。
Claude では、MCP サーバへの接続を「カスタムコネクタ」と呼びます。一度設定すれば、claude.ai(Web)や Claude デスクトップアプリ(チャット・Cowork)、モバイルアプリなど、同じアカウントの各クライアントで利用できます。Claude Code(CLI)からも、claude.ai アカウントでログインしていれば同じコネクタを利用できます(後述)。
MCP とは? なにができる?
MCP(Model Context Protocol)の概要、Questetra が MCP サーバとして提供するツール(参照系のみ・全 7 種)、接続後にできることは、姉妹記事「ChatGPT と Questetra を MCP でつなぐ」と共通です。詳しくはそちらをご参照ください。本記事では、Claude(claude.ai)側の接続手順に絞って解説します。
事前準備
接続には、Questetra 側での OAuth2 クライアント設定と、Claude 側でのカスタムコネクタ登録の両方が必要です。以下を事前にご確認ください。
- Questetra 側
- Questetra 環境の URL(例:
https://XXX.questetra.net) - システム管理権限(OAuth2 クライアントの作成に必要)
- 外部(Claude)からアクセスできる環境であること
- Questetra 環境の URL(例:
- Claude 側(Team プラン想定)
- 組織へのコネクタ追加は オーナー権限が必要
- 各メンバーは、オーナーが追加したコネクタを個別に接続して利用する
接続の流れ
Claude のコールバック URL は固定です。あらかじめ Questetra 側に登録しておけるため、次の順序で進めます。
- Questetra で OAuth2 クライアントを作成し、クライアント ID/シークレットを取得
- オーナーが Claude の組織にカスタムコネクタを追加し、クライアント ID/シークレットを入力
- 各メンバーがコネクタを接続し、認可(OAuth)を行う
- 接続を確認
1. Questetra BPM Suite 側の設定(OAuth2 クライアントの作成)
Questetra にて OAuth2 クライアントを作成します。
- [システム設定]>[API クライアント]を開く
- [OAuth2 クライアント追加]をクリック
- 以下の内容で設定する
| 項目 | 設定値 |
|---|---|
| スコープ | read(「データを取得する API へのアクセス」) |
| リダイレクトURL | https://claude.ai/api/mcp/auth_callback と https://claude.com/api/mcp/auth_callback の 2 つを改行区切りで登録 |
| クライアント認証方式 | client_secret_post |
| Proof Key (PKCE) を要求 | 有効 |
- 保存後、以下の情報を控える
- クライアント ID
- クライアントシークレット
コールバック URL について: ChatGPT のようにアプリごとに URL が自動生成される方式とは異なり、Claude のコールバック URL は上記の固定値です。利用面(claude.ai/Claude Desktop など)に応じて両方が使われるため、2 つとも登録しておきます。
スコープについて: MCP クライアント(Claude)は、サーバが公開するメタデータの scopes_supported を参照して要求スコープを決定します。Questetra は read を公開しているため、クライアント設定には必ず read を含めてください(scopes_supported を返さないと Claude は独自の claudeai スコープを要求してエラーになります)。現状の MCP ツールはすべて参照系で read で足りるため、より広い権限である any(「すべての API へのアクセス」)を付与する理由はありません。
2. Claude の組織にカスタムコネクタを追加する(オーナーの作業)
Team プランでは、組織へのコネクタ追加は オーナー が行います。
- [組織設定]>[コネクタ]を開く(
https://claude.ai/admin-settings/connectors) - 右上の[+ 追加]をクリックし、[カスタム]にカーソルを合わせて[Web]を選ぶ(MCP サーバの URL を指定して追加する方式)
- もう一方の[デスクトップ]は、ローカルで動く拡張機能ファイル(
.mcpb/.dxt)を取り込む別方式で、ここでは使いません。
- もう一方の[デスクトップ]は、ローカルで動く拡張機能ファイル(
- 開いた「カスタムコネクタを追加」ダイアログで、以下を入力する
- 名前:任意の表示名(例:
Questetra BPM Suite) - リモート MCP サーバー URL:
<Questetra の URL>/mcp(例:https://XXX.questetra.net/mcp) - 詳細設定を開き、Questetra で取得した値を入力
- OAuth Client ID:クライアント ID
- OAuth クライアントシークレット:クライアントシークレット
- 名前:任意の表示名(例:
- [追加]をクリックして組織にコネクタを登録する
登録した時点では、各メンバーがまだ接続していません。続いて、利用する各メンバーがそれぞれ接続・認可します(次の手順)。
3. 各メンバーがコネクタを接続する(認可)
オーナーが組織に追加したコネクタは、利用する各メンバーがそれぞれ接続・認可します(オーナー自身も同様です)。
- [カスタマイズ]>[コネクタ]を開く(
https://claude.ai/customize/connectors) - 一覧から、オーナーが追加したコネクタ(「カスタム」ラベル付き)を見つける
- [連携/連携させる]をクリックすると、Questetra の認可(OAuth 同意)画面が表示される
- 認可画面で
readスコープがチェックされていることを確認し、許可する
認可はユーザごとに行われます。 コネクタ自体は組織で共有されますが、Questetra へのアクセスは「接続したユーザ本人」の権限で行われます。各メンバーは自分のアカウントで認可するため、取得できるデータも各自の権限の範囲に限られます。
接続後、[カスタマイズ]>[コネクタ]で対象コネクタを開くと、前述の 7 つの読み取り専用ツールを確認できます。
なお、claude.ai 側の不具合で、コネクタ詳細のツール一覧に名前や説明が表示されないことがあります。その場合は「ツールリストを更新」すると表示されます。表示されない場合も、会話の中でツール一覧を尋ねれば名前や説明を確認できます。
4. 動作確認
会話でコネクタを使うには、チャット入力欄左下の「+」>[コネクタ]から、対象コネクタのトグルをオンにします。たとえば次のように尋ねます。
現在のユーザ情報を教えて。
接続中ユーザの情報(氏名・メールアドレスなど)が返ってくれば、接続は成功です。「マイタスクは何件? どれから対応すべき?」のような問い合わせも試してみてください。
(補足)Claude Code から利用する
ここで組織に追加・認可したコネクタは、コーディング用 CLI ツール Claude Code からもそのまま利用できます。Claude Code に claude.ai アカウントでログインしていれば、claude.ai で追加したコネクタが自動的に取り込まれ、/mcp コマンドの一覧に「claude.ai 由来」として表示されます。改めて MCP サーバ URL を登録し直す必要はありません。
ただし、次の点に注意してください。
- 認証方式が claude.ai サブスクリプションであること。
ANTHROPIC_API_KEYや Amazon Bedrock / Google Vertex を使っている場合、claude.ai のコネクタは読み込まれません(/statusで現在の認証方式を確認できます)。 - Team プランでは、コネクタを組織に追加できるのはオーナーのみ(本記事の手順 2 と同じ)。各メンバーの接続・認可は claude.ai 側で行います。
- 無効化したい場合は、環境変数
ENABLE_CLAUDEAI_MCP_SERVERS=falseを指定して起動します。
注意事項
- 現在、MCP サーバが提供するのは参照(read)系のツールのみです。AI による書き込みやタスク処理は行われません。
- 設定したコネクタは、claude.ai(Web)・Claude デスクトップアプリ(チャット・Cowork)・モバイルアプリ・Claude Code(claude.ai アカウントでログイン時)など、同じアカウントの各クライアントで利用できます。
以上で、Claude(MCP クライアント)と Questetra BPM Suite(MCP サーバ)の接続設定は完了です。AI から自社の業務データへ安全にアクセスし、状況の把握や分析に役立ててください。



