
- 基本編: 固定の宛先・内容のメールを送る
- 内容設定編: 業務データを利用してメールの内容を変更する
- 宛先設定編: 業務データを利用してメールの宛先を変更する
- HTML メール編:HTML 形式のメールを送る
- 不達対応編: メールが届かなかった時のトラブルシューティングについて
メールが届かない……こんなときは
前回までの記事で、「メッセージ送信中間イベント(メール)」を用いてメールを送信するワークフローアプリを完成させました。しかし、「手順通りに作成したはずなのに、思ったようにメールが届かない」ということがあるかもしれません。今回は、そのような場合のトラブルへの対応方法を紹介します。
Questetra(送信側) で確認する項目
イベントが成功したか確認する
まず、「メッセージ送信中間イベント(メール)」が正常終了したか を確認しましょう。当該プロセスの詳細ページを開いてください。「処理記録」の項目で管理者モードにチェックを入れると、自動工程の処理記録も表示されるようになります。
管理者モードは、コントロール権限を持っているユーザにしか使えません。コントロール権限を持っているユーザは「アプリ詳細 > 権限の編集」から確認できます。アプリの作成者はデフォルトでコントロール権限を持っています。

「メッセージ送信中間イベント(メール)」の状態が「エラー終了」になっている場合、何らかの原因でイベントが失敗しています。このようなときは、当該アプリのコントロール権限ユーザにメールでエラー通知が送信されています。

エラー通知メールはこのような形で届きます。この例ではエラー内容に「メールアドレスが不正です」とありますが、確かに To に入力されたメールアドレスにアットマークが含まれていません。これはメールアドレスとして不正な文字列です。
もし「メッセージ送信中間イベント(メール)」の処理が失敗していた場合は、エラー通知メールを確認して対処しましょう。
送信先のメールアドレスを確認する
送信先として入力されたメールアドレスが間違っているかもしれません。先程の「メールアドレスが不正」というエラーメッセージは、あくまで「入力された文字列がメールアドレスの形式になっていない」場合のものです。もしかすると、違うところにメールを送ってしまったかもしれません。
「メッセージ送信中間イベント(メール)」の送信先の欄にメールアドレスを直接入力している場合は、アプリ詳細ページでタイプミスなどがないか確認しましょう。また、データ埋込でメールアドレスを指定している場合は、元のデータが間違っていないか確認しましょう。
Questetra(送信側メールサーバ管理者)に問い合わせる
上記のエラーやアドレスの確認、後述のメールフォルダの確認等で自己解決できなかった場合は Questetra 社までお問い合わせください。(お問い合わせは Questetra BPM Suite のシステム管理者として登録されているメールアドレスからに限ります。)
お問い合わせの際は以下の内容をご確認の上お伝え下さい。
- 当該メールの Message-ID
- 送信先 メールアドレス
- おおよその送信時刻
メールの Message-ID の確認方法
Questetra BPM Suite 上での、メールの Message-ID の調べ方を説明します。当該プロセスの詳細ページを開き、管理者モードにチェックを入れてください。プロセスログボタンが表示されます。

プロセスログページでは、当該プロセスの各工程におけるログを確認できます。Message-ID は「メッセージ送信中間イベント(メール)」工程に記載されています。

受信側で確認する項目
迷惑メールなどに振り分けられていないか確認する
「メッセージ送信中間イベント(メール)」は正常終了していて、送信先も間違っていないはず。それなのに、送信されたはずのメールが受信トレイ内に見当たらない……このような場合は、送信されたメールが迷惑メールに振り分けられているかもしれません。
例えば Web 版 Gmail であれば、ページ左部のトレイ一覧から「迷惑メール」を開くことで、迷惑メールに振り分けられたメールの閲覧ができます。他にも「すべてのメール」から探す方法などもあります。
Message-ID から調査する
どうしてもメールが見つからない場合は、Message-ID を利用した検索を試してみましょう。メールにはそれぞれ、Message-ID という固有の値が割り振られています。Gmail などは Message-ID を用いた検索に対応しており、メールが届いていれば確実にそのメールを見つけることができます。
Message-ID をもとにメールを検索
例えば Web 版 Gmail の場合、検索演算子 rfc822msgid を用いることで Message-ID 検索ができます。
また、in:anywhere を検索クエリに付け加えることで、ゴミ箱・迷惑メールボックス内も検索するようになります。

他のメールサービスについては、サービスのヘルプなどを参照ください。
利用のメールサービスの制限等を確認する
メールの受信を確認できない場合は、ご利用のメールサービスの制限等を確認してください。メールの保存容量が制限値に達していたり、メールのサイズが制限値をオーバーしているといったサービス固有の制限によって受信が拒否されている場合があります。
メール受信に関するログを確認する
メールサービスによってはメール通信に関してのログを公開している場合があります。このようなログを調べることでメールの受信状況(拒否された等)を確認できることがあります。
Google Workspaceの例
Google Workspace で Gmail をご利用の場合、Google Workspace の管理コンソールの「メールログ検索」で、制限に抵触した場合などの処理についての記録を閲覧できます。(Google Workspace の管理者による操作が必要です。)
管理コンソールのサイドメニューの「レポート」「メールログ検索」から Message-ID を利用して対象のメールが処理されていないか確認してください。

受信メールサーバの管理者に問い合わせる
受信メールサーバで、何らかの問題が発生した可能性も考えられます。その場合、手元で解決することは困難ですので、メールサーバ管理者に問い合わせる必要があります。
問い合わせ先
受信メールサーバの管理者はお使いのメールサービスによります。問合せ先は各サービスのヘルプなどを参照ください。
問い合わせ内容
- 当該メールの Message-ID
- 送信先/送信元 (From) メールアドレス
- おおよその送信/受信時刻
スムーズな調査のため、この 3 点をサーバ管理者に伝えてください。