第3章 複数のユーザが関わるアプリを動かす

複数の担当者が処理に関わるワークフローアプリを動かしてみましょう。

その準備として、まずはワークフロー基盤へユーザを追加します。そしてサンプルアプリを動かして追加したユーザに作業を依頼します。

2人のユーザそれぞれを切り替えながらタスクを処理してみましょう。

組織を設定しよう

これからのチュートリアルでは、一部のページでユーザの部署に関係した処理や、特定の部署に所属するユーザにタスクを割り当てる処理を行います。

そこで、ここでは下記の組織図のように、「管理部」「営業部」と社長からなる 5 人の小さな組織を想定して、ワークフローアプリを使って業務を処理していきます。

なお、Questetra BPM Suite では、会社などの団体を、ユーザ・組織・ロール・役職の 4 つの情報で表します。

  • ユーザは、各利用者を表します。上の図でいえば《あなた》や「スマトラ」といった個人にあたります
  • 組織は、部署などを表します。上の図でいえば「全社」「10 管理部」「20 営業部」にあたります。組織情報の中に組織同士の上下関係が含まれているので、「管理部は全社の下位組織」といったことが表現できます
  • 役職は、リーダなどの部署内での役割を表すために任意に設定することができます。上の図で言えば「スマトラ」は「管理部」における「リーダ」、「ガラパゴス」は「営業部」における「リーダ」と表せます

各個人がどの組織に属しているかは、ユーザ情報の中に含まれています。Questetra BPM Suite には予め簡単な組織構成が設定されています。チュートリアルでは設定されている組織を利用しますが、実業務で使用する際は実際の組織構成に合わせて組織の設定を改変してからご利用ください。

ロールについては、今回用いないので省略します。

ユーザを追加しよう

《あなた》以外のユーザを登録していきましょう。Questetra では、ユーザを一人ずつ追加することもできますが、 CSV 入力によるユーザや組織・ロールのインポートにも対応しています。

今回はユーザ一覧の CSV データの雛形をこちらで用意しました。組織は無料登録時に用意されているものを使います。

では、ユーザの一括登録を行いましょう。 ワークフロー基盤にログインすると、ユーザ名がメニューバーの右側に表示されます。クリックしてプルダウンメニューを開き、[システム設定]を選んでください。

すると、システム設定の[ユーザ一覧]が開きますので、タイトルの下の[ユーザ一括登録]ボタンから CSV データの入力ができます。

テキストボックスに CSV データを貼り付けて、ユーザ情報をインポートすることができます。

スマトラ,example1@example.com,,10 管理部!!リーダ
カナリア,example2@example.com,,10 管理部
ガラパゴス,example3@example.com,,20 営業部!!リーダ
オアフ,example4@example.com,,20 営業部

example*@example.com の部分は、ご用意いただいたメールアドレスにて書き換えて下さい。

Gmail では、メールアドレスの@記号の直前に”+”と英数字を組み合わせた任意の文字列を追加すると、元のアドレスの別名(エイリアス)として処理されます。例えば、questetra@gmail.com の場合、上記 CSV に記載するメールアドレスとして questetra+Sumatera@gmail.com や questetra+Canarias@gmail.com 等と入力すると、これらのエイリアスに送られたメールは questetra@gmail.com に届きます。

この機能を利用するのに Gmail の設定を変更する必要はありません。 この機能についての詳細は、こちらをご参照ください。

メールアドレスは変更することもできます。

メールアドレスの変更方法

  1. [ユーザ一覧]において、《変更したいユーザ》をクリック
  2. [プロパティの編集]をクリック
  3. メールアドレスを修正し、[プロパティの変更をクリック]

[ユーザ一括登録]画面にて、CSV データを貼り付け、[確認]ボタンを押すと、確認画面が表示されます。貼り付けた CSV データと追加内容が合致しているかどうか確認してください。また、後でそのアカウントを使うときに必要になるので、自動生成された一時パスワードをすべてメモしておいてください。それが終わったら[更新]をクリックしましょう。

このようにユーザが一括登録されました。

CSV インポート画面にあるフォーマットに従って自分で CSV データを用意すれば、社員の一括登録などができるというわけです。

CSV データでユーザの所属組織の後ろに半角の !! と役職名を付けると、そのユーザの組織での役職を設定することができます。

《あなた》のユーザ設定を修正しよう

所属組織の確認

初期状態では、《あなた》のユーザアカウントがすべての組織に所属していることになっています。これは《あなた》のユーザ詳細設定画面から修正できます。

  1. 画面左のメニューから[ユーザ一覧]をクリックして、システム設定の[ユーザ一覧]を開きます
    (メニューに[ユーザ一覧]がなければ、先ほどと同じように右上の《あなた》のユーザ名からたどり、[システム設定]をクリックしてください)
  2. 《あなた》の行をクリックしてください
  3. [所属]の項に《あなた》が所属している組織が列挙されています。一番上に表示されている最上位組織以外をチェックして、[削除]してください

これで《あなた》が所属している組織は最上位組織だけになります。

最上位組織の名前は「00 《無料登録時に入力していただいた会社名》」になっています。チュートリアルのスクリーンショットでは「00 全社」にしてあります。

アイコンの変更

また、今の状態では全員同じアイコンになっています。ユーザの見分けが付くよう、《あなた》のユーザアカウントだけでもアイコンを変更しておきましょう。

ページ右上に表示されているユーザ名をクリックして、[アカウント設定]を開いてください。ここでログインしているアカウントのユーザ名やアイコンを変更することができます。

アイコンを適当な画像に差し替えてください。もし使う画像に迷ったら、以下のアイコンを使っていただいて構いません。Questetra のマスコットキャラクター、「クエスくん」です。
(画像はPNG形式で保存してください。Chromeの場合は画像を右クリックして「名前を付けてリンク先を保存」、Edgeの場合は「名前を付けてリンクを保存」です。)

これで環境構築は完了です! 早速ワークフローアプリを使ってみましょう。

アプリの実行

それでは、ワークフローアプリ「作業依頼フロー」を使って複数のユーザが関わるプロセスでアプリがどのように動作するのかを見てみましょう。手順の中で2つのアカウントを使用するため、もし可能であれば2種類のブラウザをご用意ください(例: FirefoxとChrome)。

※ブラウザが 1 種類しかない場合は、ログアウトしてから別のアカウントでログインし直すという方法でも大丈夫です。

前章で行ったように、タスクがどのように処理されていくか体験してみましょう。まずは次の手順で「作業依頼フロー」を開始します。

  1. [ワークフロー]タブをクリック
  2. 左メニューの[新規開始]をクリックして、アプリの一覧を表示
  3. アプリ「作業依頼フロー」の[開始と最初の工程の処理]ボタンをクリック

すると、1 つ目のタスクである[1. 依頼作業の入力]が開始されます。

今回も設定するのは「依頼先」だけですが、今回は「カナリア」に依頼しましょう。[検索]ボタンで一覧表示が出ますし、テキストボックスに数文字タイプすると絞り込みもできます。

依頼先が選択できたら、[「1. 依頼内容の入力」処理完了]をクリック、次のダイアログも[OK]をクリックして、最初のタスクを終了しましょう。

次のタスク[2. 再確認/完了報告]を担当するのは、「依頼先」に指定された人となるように、「作業依頼フロー」アプリで設定されています。今回は「カナリア」を指定しましたので、もう 1 つのブラウザでカナリアのアカウントにログインしてみましょう。

ユーザを切り替えてタスクを処理しよう

カナリアのアカウントでログインすると、[マイタスク]に先ほど依頼したタスクが届いています。

[作業依頼フロー]の横にある[詳細]ボタンで、プロセスの詳細を確認してみましょう。ワークフロー図の「2. 再確認/完了報告」のタスクに、タスクの直近の担当者であるカナリアを表すアイコンが表示されています。

では、作業を進めていきましょう。

  1. マイタスク一覧へ戻って[処理]ボタンをクリック、タスク「2. 再確認/完了報告」の処理に入ってください
  2. 今回も練習なのでフォームには何も記入せず、ページ下部の[再確認]のボタンを選んでください

これで依頼元にタスクが戻されるはずです。依頼元である、あなたのアカウントを見てみましょう。

先ほどと同じように、[マイタスク]にタスク[1x. 再確認への対応]が届いています。

[詳細]ボタンからワークフロー図を確認すると、依頼先が OK を出すまで延々と差し戻されるような設計になっていますね。

それでは、先へと進みましょう。

  1. [処理]ボタンをクリックして、タスクの処理画面を開いて下さい
  2. ページ下部の[「1x. 再確認への対応」処理完了]をクリックすると、依頼先にトークンが移ります
  3. 依頼先であるカナリアのアカウントに戻ると、またタスクが届いてるので[処理]ボタンから処理します
  4. 先ほどと同じですが、今度は差し戻さずに完了を選択してください

ワークフロー図によれば次のタスクは[3. 完了の確認]で、トークンは依頼元に進んでいるはずです。依頼元であるあなたのアカウントに切り替えてください。

プロセスを完了し、結果を確認しよう

依頼元に無事タスクは届いていたでしょうか?届いていたなら、これまでと同様に処理しましょう。

タスクの処理画面には[再依頼]と[完了]の 2 つの選択肢がありますが、もうプロセスの進め方は十分覚えられたと思いますので、ここは[完了]を選択しましょう。

トークンが終了イベントに進んだので、このプロセスは終了です!本当にプロセスが完了したかどうか、プロセスを開始した《あなた》のアカウントから確認してみましょう。

左メニューの[開始したプロセス]を開いてみてください。リストに先ほど処理したプロセスがありますね。[詳細]ボタンで中身を見ると、

ワークフロー図のトークンがきちんと終了イベントに到達しており、プロセスが終了したことが確認できました。

これで既成のアプリの利用方法についてのチュートリアルは終了です。次は自分でワークフローアプリを作成してみましょう。

第4章 最小構成のワークフローアプリを作る

第2章 ワークフローアプリの使い方を体験する

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