案件の業務データ、誰が見えて誰が見えないのか?
ワークフローの各工程の担当者や特権の保有ユーザに対して業務データの閲覧範囲がどのようになるかを説明します。

こんにちは、古久保です。

Questetra でワークフローを実現する上で、案件毎の業務データが誰が見えて、誰が見えないのか非常に気になるところです。日々、Questetra をデモンストレーションを行っておりますが、十中八九、ご質問を頂きます。

業務データ閲覧権限のマニュアルとしては

M302: 業務プロセス定義ごとの特権ユーザを指名する

(関連情報抜粋)
1.アプリごとのローカルな特権について、概要を理解する
c. データ閲覧権限
任意案件の業務データを検索・閲覧する
該当プロセスの詳細情報(処理記録やプロセスデータ)を閲覧することができる権限です。

「プロセス/タスクの状況確認」メニューより、プロセス/タスクの一覽や検索を行うことができます。
[データ閲覧権限] を持たないユーザであっても、関わった案件のデータは検索・閲覧可能です (M116)

が該当します。
といっても知りたいのは、「案件毎の業務データが誰が見えて、誰が見えないのか」でありますので「業務データの閲覧範囲」に絞って説明をしたいと思います。

◆シナリオの前提

具体的な業務、担当者、組織等、プロセスモデル定義に沿って説明を致します。

◆◆組織図/関係者


◆◆部署独自フローにおける閲覧可否

営業部門が利用するワークフロー「見積管理フロー」を元に閲覧可否を見ていきます。

◆◆◆シナリオ:「山田商事様向見積作成」案件 「見積作成」工程

<ポイント>
* 営業部 土井垣 将 部長は、まだ、「承認」工程が回ってきておりませんので閲覧はできません。
* 営業管理部 影丸 隼人は、「見積管理フロー」の「データ閲覧権限」を保有しているので閲覧可能です。
◆◆◆シナリオ:「山田商事様向見積作成」案件 「承認」工程

<ポイント>
* 営業部 微笑 三太郎 は、既に「見積作成」工程に関わっているので閲覧可能です。
* 営業管理部 影丸 隼人 は、「見積管理フロー」の「データ閲覧権限」を保有しているので閲覧可能です。
◆◆◆シナリオ:「山田商事様向見積作成」案件 全工程終了後

<ポイント>
* 営業部 上下 左右太 は、微笑 三太郎 と同じ営業部であっても本案件に関わっていないので閲覧はできません。
* 営業管理部 影丸 隼人は、「見積管理フロー」の「データ閲覧権限」を保有しているので閲覧可能です。
◆◆◆シナリオ:「鈴木商事様向見積作成」案件 全工程終了後

<ポイント>
* 営業部 微笑 三太郎は、上下 左右太 と同じ営業部であっても本案件に関わっていないので閲覧はできません。
* 営業管理部 影丸 隼人は、「見積管理フロー」の「データ閲覧権限」を保有しているので閲覧可能です。

◆◆全社員共通フローにおける閲覧可否

全社員が利用するワークフロー「出張旅費申請フロー」を元に閲覧可否を見ていきます。

◆◆◆シナリオ:「蛸田 蛸 7月出張旅費申請」案件 「申請」工程

<ポイント>
* マーケティング部 蛸田 蛸 の同じ組織のリーダ属性を持っている人は、山田 サチ子部長。
* マーケティング部部 山田 サチ子部長は、まだ、「承認」工程が回ってきておりませんので閲覧はできません。
* 営業管理部 影丸 隼人は、「出張旅費申請フロー」の「データ閲覧権限」を保有しているので閲覧可能です。
◆◆◆シナリオ:「蛸田 蛸 7月出張旅費申請」案件 全行程終了後

<ポイント>
* マーケティング部 蛸田 蛸 の同じ組織のリーダ属性を持っている人は、山田 サチ子部長。
* 営業管理部 影丸 隼人は、「出張旅費申請フロー」の「データ閲覧権限」を保有しているので閲覧可能です。
* 営業部の担当者、部長は、工程に関わっていませんし、権限もありませんので閲覧はできません。
◆◆◆シナリオ:「微笑 三太郎 7月出張旅費申請」案件 全行程終了後

<ポイント>
* 営業部 上下 左右太は、微笑 三太郎 と同じ営業部であっても本案件に関わっていないので閲覧はできません。
* 管理部 影丸 隼人は、「出張旅費申請フロー」の「データ閲覧権限」を保有しているので閲覧可能です。
* マーケティング部の担当者、部長は、工程に関わっていませんし、権限もありませんので閲覧はできません。
◆◆◆シナリオ:「影丸 隼人 7月出張旅費申請」案件 全行程終了後

<ポイント>
* 管理部 影丸 隼人は、「申請」「承認」工程を担当しているので閲覧可能です。
* 管理部 影丸 隼人は、「出張旅費申請フロー」の「データ閲覧権限」を保有しているので閲覧可能です。
* 営業部の担当者、部長は、工程に関わっていませんし、権限もありませんので閲覧はできません。
* マーケティング部の担当者、部長は、工程に関わっていませんし、権限もありませんので閲覧はできません。

◆あとがき

大変、くどい例示による閲覧範囲の説明となりました。(スミマセン)繰り返しになりますが、

M302: 業務プロセス定義ごとの特権ユーザを指名する

c. データ閲覧権限
任意案件の業務データを検索・閲覧する
該当プロセスの詳細情報(処理記録やプロセスデータ)を閲覧することができる権限です。

[データ閲覧権限] を持たないユーザであっても、関わった案件のデータは検索・閲覧可能です

上記の仕様に沿っていることを理解頂けたのではないでしょうか?プロセスモデル定義においてどのような「処理担当者設定」であったとしても前述の仕様が適用されます。
と、申しましても実は、「チームスイムレーン」という少し特殊な仕様がございます。

M212: 特定の工程について、複数人が同時協調的に処理できるように設定する

「チームスイムレーン」を用いた場合の業務データの閲覧範囲については、別の機会にご説明したいと思います。
不明点などがありましたら、ご連絡を頂ければ幸いです。

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